今回のフォトコンテストには多くの力作が寄せられ、審査は丹地 敏明先生にして頂きました。皆さんの卓越した腕前やプリントの良さも加わって審査は長時間に及びましたが、ここに発表となった結果となりました。素晴らしい作品の数々を是非ご覧下さい。
また、グランプリ・優秀作品には丹地先生の講評がありますので、ご参考として頂きましたら幸いです。
総評 「あなたの"ときめきの一瞬"!フォトコンテスト」の今回の応募写真を拝見し、写真が持つ多様性をあらためて鮮烈に感じさせられた思いがしました。撮影時の思い出、感動した心、見方などそれぞれにときめいた一瞬の考え方が表現され楽しく拝見できました。写真はときめきながら楽しく撮影することが望ましく、そんな感情やドラマのある写真作品を選択しました。また写真は、大きく引き伸ばし、プリントすることで価値観や表現力がさらにアップすることを実感しました。写真は、撮影するだけではなく、プリントしてこそ真の価値が生まれます。皆さんの優れた写真をプリントで残してほしいと切に望んでいます。JPS会員丹地敏明 |
「ときめきの過ぎ去りし日」
西澤 茂樹(神奈川県)
ガリバーの世界を彷彿とさせるような雰囲気がある写真作品で、写真の原点といえる光と影の捉え方が抜群で、フレーミングとシャッターチャンスが決定的瞬間を残しました。モミュメントの下を歩くご婦人の姿に過ぎ去りし日の思いが作者の狙いであるところに共感しました。咄嗟の判断力に敬服する写真作品です。
「青春時代」
野々村 整亮(静岡県)
桜が背景になっているところから新入生と上級生という印象があります。高庭の片隅で青春時代のときめいた一瞬を感じます。剣道部員の男の子でしょうか、桜との組み合わせも日本的で好ましく、初々しい二人の姿に鑑賞する側も若かりし頃を思いださせてくれるところに好感を持ち二人の行く末にエールを贈りたくなる写真作品です。
「ちさきです」
下条 実(新潟県)
作者はお父さんでしょうか。ちさきちゃんの生誕でさぞかしときめかれたことでしょう。この時の気持ちを忘れずにちさきちゃんの成長を一日一写し、ちさきちゃんがお嫁に行く時には一冊のアルバムを必ず持たせてあげたいものです。家族の記録写真はとても大切な事業です。過ぎ去りし日は帰ってきませんが、写真は残ります。
「朝光の丘」
佐野 光司(神奈川県)
風景写真作品の応募が少ない中でひと際ときめいた写真作品でした。光と影、色彩の美しさ、朝光を浴びてシンボリックな白樺の存在感をシンプルに構成し、作者だけではなく鑑賞者もそのときめきを感じとることでしょう。この写真作品は大きく引き伸ばすことで更に魅力的な写真作品になると思います。
「桜舞う日」
内田 敬康(埼玉県)
惜春といった風情のある写真作品で、地蔵尊が散りゆく桜花を見上げているように見えるところに作者の構成力の鋭さを感じます。一瞬のときめきを見事に捉えていると思いました。桜が舞う風の方向性も作者に味方してくれている感じです。それにもましてその瞬間を見逃さなかった作者の感性と判断に素晴らしさを感じます。
「マー君」
大野 茂(神奈川県)
二匹のマーモットがお行儀よくおねだりしている感じに作者がときめいたと思います。ヨーロッパアルプスや北アメリカの西部地域に生息するリス科の動物で、僕はその両方で撮影した記憶があり、膝に乗って来たこともあるほど人懐っこい動物です。この写真作品を拝見して懐かしさと共にときめきながら取材旅行をした記憶が甦りました。